僕は目の網膜が薄いのか、強い日差しがどうも苦手でサングラスが必需品だ。
最初はタバコを吸い始める時と同じように大人ぶるというか、サングラスをしている大人達を見て僕も真似してみたいという理由から掛けはじめた。18~19才の頃だったと思う。
以来、色々なサングラスを経ていった。
雑貨屋で1000円で売っていたモノや古着屋で見つけた70年代のヴィンテージなど多くのサングラスを手にした。
現在は2本のサングラスが手元に残った。オークリーのフロッグスキンとこの白山眼鏡のサングラスである。
白山眼鏡とジョン・レノン
白山眼鏡店は、1883年に創業した老舗眼鏡店で常にジャパンメイドにこだわったモノづくりで数々の眼鏡を世に送り出してきた。
コンセプトは「デザインしすぎないこと」
これまでに多くの著名人に愛されてきた。坂本龍一、チバユウスケ、みうらじゅん、そしてジョン・レノン。
当時、原宿のMILK BOYに展示されていた白山眼鏡のサングラスに一目ぼれしたジョンは滞在していたホテルオークラに白山眼鏡店の社長とMILK BOYのオーナーを呼び出した。
そして、オリジナルフレームを3本注文した。
白山氏はジョンの度数がわからなかった為、ジョンが持ち込んだ眼鏡を持ち帰り、注文したフレームにレンズを入れ、フィッティングして納品した。
その眼鏡はジョンが射殺された時にかけていたサングラスである。
ジョンのトレードマークともいえるラウンド眼鏡も白山眼鏡製で、ジョンがどれだけ白山眼鏡を愛していたかがわかる。
僕にとってもこれはなくてはならないモノで大切に使っている。
気分次第で、眼鏡にもサングラスにもできる
最初は伊達眼鏡として使うつもりだったがレンズをカラーレンズに変えてサングラスにした。
結局のところ、僕は必要に感じるモノにしか愛着が湧かないのかもしれない。
伊達眼鏡はなくても生活できるが、サングラスはないと困る。
結果、サングラスにしてから掛ける頻度はかなり上がった。
こういうのは柔軟に変更してしまっていいと思う。
モノにとって使われないのが一番の不幸なのだから。
そもそも、眼鏡は「医療用具」だ
ブラウンのフレームとゴールドのテンプルのコンビが美しい。
眼鏡はここ数年でとても安く買うことができるようになった。
しかし、眼鏡とは本来、ファッションではなく医療用具だ。
安価で、どこで作られたかもわからないペースメーカーや補聴器を使う人はいないだろう。
眼鏡も同じで、信頼できるメーカーかつ、熟練した専門スタッフがいる所で買うべきだ。
まるで自分の顔の一部になったようなフィッテイングをしてくれる。
不具合があればすぐに適切な修理をしてくれる。
安価で未熟なスタッフしかいないところで買った眼鏡は目の負担を強いられ、大切な視力を奪われる危険性もある。
だから僕は白山眼鏡を選んだ。
定期的に調整に出しているので、今現在も最高の掛け心地だ。調整は無料でしてくれる。
日本の技術は素晴らしい。
スカイツリーのような巨大な建築物から小さな眼鏡まで日本人の技術力は余すことなく表現されている。
今はメイドインジャパンに馴染みのない日本人も増えている。とても悲しいことだと思う。
今一度、僕達の国のモノづくりについて考えてみる時期に入っているのかも知れない。