実は、今までベルトを買ったことがなかった。
高校生の頃は家にあった細い革ベルトを使っていたが本革にも関わらず、合皮のようなコシのない粗末なものだった。
当然、高校3年間で革はボロボロに。むしろよく3年間もったものだ。
使っていたベルトがなくなり、次に使い出したのが父が学生時代に使っていたもので茶色の革のベルトだった。
もう40年以上経っていて、革の剥がれなどもあり、くたびれていたが前回使っていたものより肉厚だったので気に入って使っていた。
リアルヴィンテージだ。だいたい、6年くらいだろうか。
人生3本目のベルトを探しに。。
父のお下がりも見た目的にも劣化が進み、そろそろ限界といった具合になり、人生で3本目のベルトを探すことにした。
今まで、家にあったもので代用していたので、今回は自分で買いに行くことにした。僕は昔は見えない部分には非常に無頓着だったのだ。
レザーは好きなので以前から気になっていたブライドルレザーのベルトを買ってみた。
イギリス製のものだ。革質がとても良く、長年使えそうなしっかりした堅牢な作りだ。
見た目はホワイトハウスコックスを連想させる。
ブライドルレザーのベルト
ブライドルレザーのまるでコードバンのような艶やかさがとても上品な佇まいだ。
そもそも、ブライドルレザーとは牛革をタンニンなめしした後、蜜蝋や植物性油をアイロンや手で塗りこみ、浸透させて仕上げた革のこと。
イギリスに古くから伝わる、伝統的な技法だ。
買った当初はブルームと呼ばれるロウの塊が表面に浮き出ていて、白っぽかったのだが今では綺麗に取れて美しい輝きを見せている。
ブルームは気になるようなら布やブラシで拭き取っても問題ないが、使っていくうちに自然に取れていくのが一番、革にとって良い。
卓越した技術が必要な為、量産が難しく、熟練のタンナーでないと良いものを作るのは難しいと言われている。
この光沢感がブライドルレザーの醍醐味で、スーツなどにもよく似合う。
革自体は硬めで耐久性は他の革と比べるとかなり高い。
元々、馬具として作られているので中途半端なものは存在しないのだ。
馬の馬力に耐えられる強度が求められるシビアな世界の革である。
バックルは真鍮で革とはまた違った、経年変化を見せてくれる。
僕の所有しているZIPPOライターも真鍮製だがゴールドとシルバーではだいぶ質感が変わってくる。
黒い革にはやはりシルバーがよく馴染む。
今回は10年使うつもりで
前回のベルトは6年間使ったので今回は10年は使えると思っている。
かなりドレス色が強いのでもう少しカジュアルなモノも必要な気がするが当分はこれ1本でいこうと思う。
革といえばイタリアだが、イギリスのブライドルレザーは扱い方で一生使える相棒になるか、すぐ駄目にしてしまうか極端に別れる所がある。
頑丈だけどシワになりやすいこともあり、日々の手入れは欠かせない。
だがモノの手入れをする時間は日々を振り返ったり、自分を見つめ直す有意義な時間となるので、僕はその時間も含めて楽しんでいる。
では!