僕はあまり服を持っていない。
いや正確にはたくさん持っていたけど、ほとんど処分してしまった。
ミニマリストを目指しているわけではないのだけど、部屋に溢れる洋服を見て、なんか違うなと思ってしまったのだ。
夏なんかは数本のパンツと数枚のTシャツがあれば事足りる。数を減らすとその分、愛着が増してくるから不思議だ。
VISVIMのハイウォーターチノ
そんな訳で元々、デニム好きということもあり、チノパンは1本しか持っていない。
それがvisvim(ビズビム)のハイウォーターチノだ。
チノパンだと野暮ったいシルエットは苦手だが、これは細身の9分丈なのでとてもすっきりしている。
visvimは妥協を知らないブランドだ。
すべて日本製にこだわり、常に最高のマテリアルでモノ作りをしている。
たまにあまりにこだわりすぎて私達、消費者には理解できないような価格(靴下が2万近かったり)のものがあったりするが、このハイウォーターチノは毎年定番で出ているもので比較的買いやすい。
それでも中村ヒロキ(visvimのデザイナー)のこだわりの強さが伺える1本で、素材はエジプトの最高級コットンであるGIZAを使い、硫化染めによって自然な色落ちも楽しめるようになっている。
ワンウォッシュで風合いがヴィンテージチノに近い。中村ヒロキ自身も普段よく履いていることからvisvimのフラッグシップモデルとして定番化している。
サイクリストとも相性のいい細身のクロップド丈
裾は9分丈のダブル。
僕はデニムやグラミチもすべてロールアップして履くので普段と変わらないノリで履ける。
日本製なので縫製もしっかりとしており、ガシガシ履けるのだ。
細身のクロップドというと少し安っぽく見えがちだが、ハイウォーターチノは素材から縫製まで高い品質で作られている為、抵抗なく着用できる。
個人的に自転車乗りはとても重宝するのではないかと思う。
裾の巻き込みの心配もないし、コットンが体に馴染んでくるので動きやすいからだ。
他のサイクリングウェアとも相性が良さそうである。
シンチバック付き。この辺もヴィンテージのオマージュが根底にあるからだろう。
細かい所も作りこまれている。
とにかく、GIZAコットンの風合いが最高で洗う度に表情豊かになってくる所が好きだ。
良いコットンはアタリも綺麗に出やすく、経年変化が楽しみである。
ボタンもプラスチックではなくアルミ製
細かい所だとボタンもvisivmならではで、プラスチックではなくアルミボタンを使っている。
割れにくく、酸化して色合いが変化していくのも面白い。
履きこむのが楽しくなるチノパンなのだ。
そして、裏地もコットンというのが何気に気に入っている。
普通、パンツは裏地に化学繊維を使う。見えない箇所だし、コストを抑える為だ。
しかし、visvimはそんな見えない部分にも惜しみなく天然素材を使うのだ。
裏地は肌に直接触れるのでポリエステルなどより、コットンの方が快適性が断然違うのだ。
このパンツも履きはじめて2~3年経つが劣化した箇所は一つもない。
むしろどんどん味わい深くなってくるのでもっと履きこんでいきたい。
ここ数年で更に値上げされてしまったみたいだが、長年使えるモノには惜しみなく投資するべきだ。
僕も昔、買わなくて後悔しているモノが山ほどある。
このパンツのように使い込む喜びを味わえたのではないかと思うと残念だ。
買うべきモノは直感でわかる。その脳の合図を見逃さないことがとても大切なのだ。